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「糖尿病看護」における看護師の業務内容と役割について

生活習慣病を発症する患者の数は、今後高齢化社会が進むことにより、ますます増加すると予想されています。そこで同様に必要性が高まると考えられるのが「糖尿病看護」を行う看護師の存在です。糖尿病は一度発症すると完治することはほとんどないとされる辛い疾患です。その治療には、本人の努力と家族の協力だけでなく、看護師のサポートが大変重要な役割を果たしています。さらに、看護師にとっても糖尿病の看護に携わることは、資格取得や看護経験を積む上で大きな可能性を秘めた業務と言えます。

糖尿病看護とは

糖尿病に対する知識とスキルを持って患者の看護・指導を行う

糖尿病は体内のインスリンが不足することにより、体の機能を正常に維持することが困難となる疾病です。一度発症すると、完治させることは極めて困難であり、症状に合わせて食事、運動、服薬の三方から管理することになります。悪化させないためには、医療的処置だけでなく、患者本人やその家族の協力も不可欠です。糖尿病看護は、こうした糖尿病の基本的な知識を含め、合併症のリスクも知った上で看護や患者への指導を行うことです。

糖尿病看護における看護師の業務と役割

他の専門職と患者とのパイプ役、患者にとってのマネージャー的存在

糖尿病の治療は、医師や看護師だけでなく、理学療法士、管理栄養士、薬剤師などと協力して行います。理学療法士は運動療法指導、管理栄養士は食事療法指導、薬剤師は薬物療法指導にそれぞれ携わります。

こうしたチーム医療の中で看護師は、患者の情報を収集し、他の専門職へ伝達・共有する役目を担っています。例えば患者の家族は何人いて、誰が食事を担当しているか、どういったものを作る傾向があるか、患者の治療に対してどの程度協力的か、などです。

糖尿病治療は患者家族との連携も大切

糖尿病治療は患者本人の努力はもちろんのこと、その家族の協力がないと成り立たない部分があります。さらに、他の専門職は患者と関わる時間は看護師に比べ、患者に関わる時間が一部分に留まりやすいです。だから最も患者と接する時間や機会が多い看護師が、情報収集役としてチームのパイプ役になることが求められます。

また、患者にとって看護師は、指導役でありマネージャーになり得る存在です。指導を受けた後の患者には、どの程度内容を理解しているか確認し、理解が不十分であれば、正しい知識を再度指導する必要があります。

例えば「朝起きてラジオ体操をすることに決めた」という患者には、「低血糖の恐れがあること」を伝えた上で、「運動は朝食を食べてから30分ほど経過したあとにするほうがいい」ということを伝えます。誰しも一度で指導内容の全てを理解することは困難です。そのため、看護師がその都度、患者の理解度を確認し、さらにそれを深めるための手助けを行う必要があります。

具体的な業務内容について

医療チームの一員としての働きの他、看護師が行う業務には一般的なバイタルチェックや、食事、入浴、運動、服薬といったケアがあります。さらに、糖尿病は合併症のリスクがあるため、次の点にも注意する必要があります。

  • フットケア
  • 様態変化をチェック
  • インスリンの打ち方指導
  • 血糖値の自己測定の指導
  • 生活習慣の指導

糖尿病の合併症において特にリスクが高いのは、PADと呼ばれる抹消動脈疾患です。これは下肢へ十分な血液が供給できず、冷えや痛み、しびれを起こす疾患です。放っておくと壊疽し、最悪の場合切断しなければならない可能性があります。

これを防ぐ有効な手段がフットケアです。患者さんの足の傷のチェック、爪が伸び具合や、変形の程度、たこや水虫、炎症の有無などをチェックします。そして清潔を保つケアです。このフットケアは看護師が行う場合に、患者が自分で行えるよう指導するケースもあります。

この他にも引き起こしやすい合併症として、神経障害や網膜症、腎症などがあります。糖尿病は動脈硬化にもなりやすく、血管が細くなり血液の循環が悪くなりがちです。動脈硬化を起こすと抵抗力の低下やしびれ、痛みに鈍くなるなどの神経障害に繋がる可能性があります。

神経障害は、皮膚や爪の変化に気づきにくくさせるため、化膿や炎症、壊疽を招きやすいです。足の切断をしなければならない、などというケースを防止するためにも、フットケアを行い、常に患者の様態変化をチェックしておかなければなりません。そしてもし合併症の兆候が見られた場合は、迅速な対処をする必要があります。

また、糖尿病発症によってインスリン分泌量が減少する場合は注射を使用し、インスリンの投与を行います。これもフットケア同様、看護師が行うだけでなく患者やその家族もできるよう指導します。さらに、血糖値に関しても患者自身が測定し、退院後も自己管理ができるように指導します。

話し相手となり患者のストレスを軽減させる

糖尿病は一度発症すると一生付き合っていかなければならない疾病であることから、患者の不安やストレスも増大化しやすいです。マイナス思考になる患者も多いため、看護師は出来る限り話し相手となり、ストレスのはけ口的存在になることが求められます。そうすることで、より患者との信頼関係も築きやすくなります。

認定看護師としてのスキルアップも目指せる

糖尿病は専門性があり、尚且つどの科目へ転職してもその知識を活かすことができます。また、「糖尿病療法指導士」や「糖尿病看護認定看護師」などの資格取得など、さらにスキルアップを目指すことも可能です。病棟のチーフとして働きたい、と考える人にとってはキャリアアップのチャンスが生まれやすいです。

糖尿病看護の道を選ぶメリット・デメリット

キャリアアップになりやすいが、患者とのコミュニケーションで苦労することもある

糖尿病看護は、自身の糖尿病に関する知識や資格取得などの専門性を高められる可能性があり、転職する際に有利に働くことが多いです。その反面で、糖尿病の治療方針やその重要性などを患者に説明しても、理解を得られないなどコミュニケーションを取る場面で壁を感じることもあります。

例えば食事療法では、好物を食べられないことを苦痛に感じる患者も多いです。自分より年配の患者を相手にすることも多く、どうすれば快く治療に取り組んでもらえるかどうかなど、工夫することが求められます。

糖尿病看護の業務に就いた場合、この業務は一般内科の仕事にプラスアルファで行うことになります。そのため報酬が特別にアップするという可能性は低いようです。ただし、糖尿病専門のクリニックに転職した場合は、外来のみの勤務となり、病棟勤務との報酬の差は生まれやすくなります。また、勤務先によっては認定看護師などの資格を取得していると、手当がつくケースもあります。

糖尿病看護の仕事をするなら転職サイトを活用

看護師として内科系スキルをより高めたいと考えるのであれば、糖尿病看護は適した業務であると考えられます。そのために転職を希望するのであれば、その際は看護師専門の転職サイトを活用しましょう。非公開求人も見つけられる他、転職のサポートをしてもらえるアドバイザーなどが担当についてくれることも多く、より採用の道が開きやすくなります。

また、自分の希望をアドバイザーに伝えておけば、それに見合う求人も探してもらうことが可能です。もし資格取得を目指すのであれば、受験費用の一部負担をしてもらえる病院を探すという選択肢もあります。

糖尿病看護は一人一人の患者と深く付き合う業務

スキルを持つことは看護師としても得るものが大きい

糖尿病は一度発症すると一生付き合っていく可能性が非常に高い疾病です。そのため、外来であっても病棟であっても、一人一人の患者と長期間付き合っていく可能性が高いです。そしてその治療には、食事や運動、インスリン投与など、日々の生活習慣改善が回復のため必要不可欠です。

そのために看護師として行う指導やケアは、責任ある重要な業務です。時には患者に指導内容を理解してもらえないなど、壁を感じる場面もあるかもしれません。しかし、その分深い信頼関係を築くことができる可能性もあります。ときに励まし、喜びを分かち合うこともできる、やりがいのある仕事です。

さらに今後、生活習慣病患者はますます増加すると予想され、糖尿病に関する知識を有した看護師は、他医療スタッフからも重宝される可能性が高いです。そのために、糖尿病看護認定看護師などの資格を取得することは将来的にもさまざまな場所で活躍できるチャンスが生まれると考えられます。そうしたスキルを得るためにこの道を勉強することも、一つの選択肢として検討してみられてはいかがでしょうか。

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