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看護師の初任給~総支給額と本当に手にする「手取り」の違い知ってる?

看護師の初任給~総支給額と本当に手にする「手取り」の違い知ってる?

初めて働いて得た給料のことを「初任給」と言います。新卒でも、入職1ヶ月後には初任給が支給されます。

しかし、初任給は応募時に聞いていた金額と異なることがほとんどです。それは手当が上乗せされたり、控除されるものがあったりするからです。

このページでは看護師の初任給の手取り額と手当や控除の内訳、給与明細の見方などについて解説します。

看護師の初任給~手取り額と総支給額の違い

看護師が初任給を受け取る場合、そこには何が含まれているのか、また何が差し引かれているのかを理解することが大切です。

アルバイトをしたことがある人は給与明細書をもらっていたと思いますが、正社員(正職員)として働く場合は毎月控除(差し引かれる)されるものと給与に加算されるものがあります。

手取りと総支給額の違い

毎月、給料日に銀行口座に振り込まれる金額が「手取り」です。しかし、実際はもっと多く支給されています。その金額を「総支給額」と言います。

なぜ手取り額と総支給額が違うのか?

給与は「基本給」がベースになっています。そこに残業手当や通勤手当などの各種手当が加算されます。一方、健康保険や厚生年金などの「社会保険料」が控除されます。

これを計算式にすると

  • 基本給+各種手当=総支給額
  • 総支給額-控除=手取り額

となります。

給与明細で総支給額と手取り額をチェック

では、実際に給与明細を見て、その内容を確認してみましょう。

給与に加算されるもの

まずは給与に加算されるものを見ていきましょう。職場によって名称や内容は異なりますが、一般的に次のような手当が加算されます。

職能手当 職員の能力に応じて支給される手当
超過勤務手当 所定の勤務時間を超える労働に対して支払われる
残業手当や時間外労働手当とも呼ばれる
夜勤手当 夜勤に対して支払われる手当
深夜割増手当と呼ばれることもある
通勤手当 通勤の費用に対して支給
資格手当 看護師の資格に対して支給
役職手当 管理職などの役付者に対して支給
家族手当 家族を扶養している人に対して支給

看護師独自の手当

病院では看護師以外にも多くの人が働いています。特に資格を持たない看護助手や事務の人もいるため、看護師には「資格手当」が支給されるところが多いようです。

また、職場によっては交代勤務のシフトが複雑なため、「交代勤務手当」が支給されるところがあります。

給与から引かれるもの

一方、給与から引かれるものもあります。給与から引くことを「控除」と呼び、次のような項目があります。

健康保険(※) 職場によって組合管掌健康保険や協会けんぽ、共済組合などに加入していて、従業員は健康保険料を納めることになっている  
介護保険(※) 40歳以上は介護保険料を納める  
厚生年金(※) 厚生年金の保険料を納める

雇用保険(※) 失業したときに失業手当(基本手当)の支給などを受けるために保険料を納める 
所得税 所得に応じて徴収される税金で、年末調整で精算される
住民税 前年の所得に対して課税され、給与から徴収される  

社会保険料は事業主が半分負担

上の表の※部分(健康保険、介護保険、厚生年金、雇用保険)は「社会保険」と呼ばれます。働く人の給与から差し引いて徴収されますが、保険料の約半分は事業主が負担することになっています。

(雇用保険の負担割合は業種によって異なります。また、労災保険料は全額事業主が負担するので給与からは控除されません。)

住民税は2年目以降に控除される

住民税は前年の所得に対して課税されます。そのため、新卒で働いた場合、1年目の給与からは住民税は控除されません。

2年目の6月の給与から住民税が控除されるようになります。2年目で昇給がなく給与が増えていない場合は、新卒時よりも手取り額が少なくなることがあります。

(実際は夜勤の回数などで手取り額は上下します。)

職場によって控除されるものもある

職場によっては労働組合の組合費や親睦会費、駐車場の利用料などが引かれるところがあります。

詳しいことは職場で確認してみましょう。

看護師の初任給の手取りの相場はどれくらい?

看護師の初任給や手取り額は誰もが同じではありません。学歴や勤務先、地域などによって違ってきます。

学歴別の看護師の初任給と手取り額

日本看護協会の「病院勤務の看護職の賃金に関する調査 報告書」(2012年)によると、学歴別の看護師の初任給は下記のようになっていて高学歴になるほど初任給が高いことがわかります。

学歴 平均初任給
看護3年課程卒 196,368円
看護系大卒 203,262円
看護系大学院卒 207,464円

なお、これは給与明細に記載されている「基本給」を示したものです。実際はここに各種手当が加算されるので、総支給額はもっと多くなります。

給与の手取り額は総支給額の約80%

一般的に手取り額は総支給額の約80%と言われています。

日本看護協会が2017年に実施した「病院看護実態調査」では、3年課程の新卒看護師の総支給額は266,041円となっています。初任給の金額ではなくすでに各種手当が加算されていると考えられますが、ここから社会保険料などが控除されるため、実際の手取り額は
266,041円×80%=212,833円
となります。

職場別の看護師の初任給と手取り額

次に職場別の看護師の初任給を見てみましょう。

日本看護協会では設置主体別の給与の調査結果を公表しています。設置主体とは、どこがその病院を設置・運営しているか…ということです。

ここでは高校卒業後に3年課程を出た新卒看護師の給与の総支給額を比較してみます。

設置主体 総支給額 予想手取り額

(独立病勢法人国立病院機構・
国立大学病院など)
261,953円 209,562円
公立
(都道府県・市町村など)
264,383円 211,506円
公的医療機関
(日本赤十字社、済生会など)
261,570円 209,256円
社会保険関係団体
(健康保険組合など)
271,153円 216,922円
公益法人
(公益社団法人など)
267,580円 214,064円
医療法人・個人 266,010円 212,808円
その他の法人
(社会福祉法人など)
271,451円 217,161円

新卒看護師の手取りは約20~21万円

上の表は初任給ではなく新卒1年目の給与の総支給額と予想手取り額(総支給額の80%)を示したものです。新卒でも平均して手取り20万円~21万円くらいになるということがわかりますね。

地域別の看護師の初任給と手取り額

厚生労働省の「平成29年賃金構造基本統計調査」では新卒の初任給を産業別・学歴別・都道府県別に調査して公表しています。「医療・福祉」に従事する人の初任給(大卒・女性)を見てみましょう。

なお、ここでの初任給とは「平成29年に採用され、6月30日時点で雇用されている新卒社の所定内給与から通勤手当を除いたものであり、6月30日現在で平成29年度の初任給として確定したもの」を指します。また、「所定内給与」とは総支給額(基本給に職務手当や通勤手当、超過勤務手当などを含み、社会保険料などの控除前の金額)から超過勤務手当(残業手当や夜勤手当など)を差し引いた額のことを意味します。

初任給は地域によって格差がある!?

この調査結果は「医療・福祉」に従事する人の初任給なので医師や理学療法士、介護関係の人などのデータが含まれています。そのため、看護師の都道府県別の初任給は明確にはわかりませんが、地域によってかなり差があることがわかります。

初任給が高いベスト5は次の通りです。

千葉県 248,000円
青森県 227,200円
静岡県 226,100円
石川県  225,500円
東京都  217,200円

一方、こちらは初任給が低い都道府県です。

富山県 169,000円
高知県 167,700円
群馬県 166,300円
和歌山県 162,200円
岩手県 161,000円

地方は給与が低い傾向があると言われますが、地域性だけでなく勤務する病院の規模や給与規定、夜勤手当の額や夜勤の回数などでも給与は違ってきます。

初任給が低いという人も、今後経験を積むことで昇給が望めますし、好条件の転職をすることで給与をUPが可能です。長い目で見てキャリアを積んでいきましょう。

まとめ

給与は基本給にさまざまな手当が加算されます。これらを合わせたのが「総支給額」です。しかし、それがすべて受け取れるというわけではなく、社会保険料や税金などが控除されます。これらを差し引きした額が「手取り」(実際に受け取れる額)です。

一般に手取り額は総支給額の約80%と言われています。

また、初任給は学歴や勤務先、地域などによって異なりますが、その後の給与は夜勤の回数や昇給などで増える可能性があります。初任給の多い少ないで一喜一憂することなく、コツコツとキャリアを積み上げていきましょう。

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