神奈川県の看護師求人!3つのポイントまとめ

  • 埼玉県に次いで、看護師数は全国ワースト2位!完全なる転職売り手市場
  • 看護師の平均年収は524.8万円!東京より高い給与水準が実現…!?
  • 医療機関は横浜市に集中!県央部など、医療機関不足が深刻な地域も…

人口あたりの病院数は全国最下位!神奈川県の看護師事情

神奈川県内の病院数は298院で全国47都道府県の第6位。さらに診療所数は6,497院となっており、こちらは第3位となっています。これだけ見ると、“神奈川県は医療機関の多い都道府県である”と錯覚しそうになりますが、話はそれほど単純ではありません。

医療機関の必要数は、人口に比例します。人口あたりの病院数・診療所数が足りていなければ、とうてい充足しているとは言えません。そこで、今度は人口10万人あたりの医療機関数を確認してみましょう。すると、神奈川県における人口10万人あたりの病院数は3.29院となり、全国47位…。さらに診療所数に関しても71.66院となり、全国34位です。

そう、神奈川県は人口あたりの病院数が全国ワーストであり、同時に診療所数も下から数えたほうが早い都道府県になります。以上から、神奈川県は全国的に見て、もっとも医療機関が不足している都道府県の1つです。

全国ワーストクラスの看護師不足…!転職者にはチャンス!?

さて、それでは次に神奈川県の看護師数を確認してみましょう。総数は71,395名の全国5位ですが、やはり人口あたりの看護師数を算出すると印象は一変します。人口1,000人あたりの看護師数は7.85名となっており、これは47都道府県で46位です。全国的に見て、2番目に看護師が足りていない都道府県…。それが神奈川県の現状なのです。

ちなみに、神奈川県における人口あたり医療従事者数は全体的に不足傾向。保健師は人口10万人あたり22.78名(全国最下位)、助産師は同じく48.29名(全国31位)、さらに現役医師数も同じく201.73名(全国39位)となっており、軒並み平均を下回っています。特に保健師の全国最下位は、かなり致命的な数字と言わざるを得ません。

神奈川県の医療を考える上では由々しき問題ですが、しかし、これから転職を考えている看護師さんにとっては大きなチャンスと捉えることも可能でしょう。看護師不足ということは、病院側は待遇を向上してでも看護師を雇用したい…ということです。今より好条件で転職したいなら、このチャンスを逃すべきではありません。

また、看護師の上位資格である助産師・保健師が不足していることから、今のうちに上位資格を狙うのもオススメ。特に保健師の充足率は全国最下位ですから、保健師資格があれば転職は一気に有利になるでしょう。

神奈川県基本データ
病院数 298院
診療所数 6,497院
看護師平均年収 524.8万円
看護師平均年齢 35.7歳

深刻な看護師不足!神奈川県は離職率が高い…!?

神奈川県が深刻な看護師不足であることは上述のとおりです。907万人を超える人口を擁する都道府県であることから、爆発的に増えた人口に対して医療従事者の供給が追いついていない…というのが一因でしょう。

しかし、神奈川県の場合、問題はそれだけではありません。神奈川県はもともと看護師の離職率が高いのです。200年代後半、看護師離職率の全国平均が11〜12%台で推移していたのに対し、神奈川県の離職率は14〜15%台でした。都内に職場を求める方が多いことなど、さまざまな複合的要因が絡んでの問題であることが推察されます。

今後、神奈川県の看護師不足を解決するためには、こうした問題を1つひとつ是正していかなくてはなりません。

全国初!神奈川県では准看護師の養成を停止

神奈川県では2013年4月から、准看護師の養成を停止しています。准看護師では医療の専門化・高度化に対応しきれない…という理由から全国的に“准看護師から正看護師へ”の転換が進められていることから、県として一歩踏み込んだ対応を決めたのでしょう。

もちろん、新規養成を停止しただけで、准看護師が今後、神奈川県内で働くことを制限するものではありません。しかし、看護師不足が深刻化する神奈川県で准看護師の養成を停止するのが良い結果を招くかどうかは微妙なところです。日本看護協会が看護師資格の一本化を志向している以上、准看護師廃止の流れを止めることは不可能でしょう。しかし、この決定が神奈川県における看護師不足を深刻化させないか…という心配は尽きません。

看護師不足で特別室を休止!横浜市立大学付属病院の問題

神奈川県の看護師不足を実感する問題としては、2007年に横浜市立大学付属病院で発生した特別室の休止問題があげられます。

これは2006年に診療報酬が改定され、2007年から看護師配置基準7:1が推奨されるようになったことが発端。横浜私立大学付属病院は7:1看護を目指し、2007年4月に看護師133名の採用を見込んでいました。しかし、採用できたのはわずか76名。さらに、既存の看護師13名が退職したのです。この結果、7:1の配置基準を満たせなくなった横浜市立大学付属病院は、特別室15部屋を休止し、担当看護師をほかの病棟に移すことになりました。こうすることで、どうにか特別室を除く病棟では配置基準を維持できるからです。

横浜市立大学付属病院という大病院でさえ、このような状況に追い込まれたことがある…という事実。神奈川県の看護師不足がいかに深刻なのかを知るのに役立つ、実に象徴的な出来事と言えるでしょう。

救命救急センターがゼロ!?県央保健医療圏の問題

神奈川県内は11の2次保健医療圏に区分されています。問題は、そのうちの1つである県央保健医療圏に救命救急センターが存在しないこと。これが田舎の医療へき地であれば理解できるのですが、県央保健医療圏は厚木市・綾瀬市・海老名市・座間市・大和市・愛川町・清川村からの7市町村から構成される医療圏です。厚木市と大和市は政令市、中核市に次ぐ大都市制度上の特例市に指定されており、いずれも人口20万人以上。海老名市と座間市もベッドタウンとして10万人以上の人口を抱えており、決して小さな都市ではありません。

これだけの都市を内包する県央保健医療圏に救命救急センターがゼロというのは、正直なところ異様です。横浜市には8、川崎市には3の救命救急センターが集中しており、さらに県央以外の保健医療圏には1〜3の救命救急センターが設置されています。県央保健医療圏にも早急に救命救急センターを設置することが急務と言えるでしょう。

横浜市への一極集中をどう解決するか?

今後、神奈川県は横浜市への一極集中を是正し、県央を中心とするエリアの医療体制拡充に取り組むことが必要です。

神奈川県は、2011年に“県内の救命救急センターを18箇所に増やす”という地域医療再生計画を発表しました。救急車の搬送完了までにかかる時間が平均30分以上…という状況を問題視したのが理由。しかし、県央保健医療圏ではなく、すでに7ヶ所の救命救急センターを擁する横浜市に1つ増やす…というチグハグな対応に終始しました。

県央保健医療圏には緩和ケア病棟を有する病院もゼロです。同じく緩和ケア病棟を持たない医療圏には川崎北部保健医療圏がありますが、川崎南部保健医療圏には緩和ケア病棟がありますから、県央ほど大きな問題はないでしょう。一応、川崎市内で対応できるからです。

高度2次医療から見放された状況が続く県央保健医療圏。今後、どのように変わっていくのか…、県内の医療従事者としても注視したいところです。