九州の南端に位置する鹿児島県ですが、医療機関の数はどれくらいなのでしょうか?まず、総数で見ると、病床数20床以上の病院が223院、病床数19床以下の診療所が1,415院となっています。全国47都道府県のランキングでは、病院数が第10位、診療所数が第24位です。政令指定都市があるわけでもない鹿児島県の病院数がベスト10に入っている…という事実に驚いた方も多いかもしれませんね。
ただ、医療機関の充足度を考える上では総数だけを見ても仕方ありません。より重要なのは、人口に対する医療機関数です。そこで、今度は人口10万人あたりの医療機関数を確認してみましょう。人口10万人あたりの病院数は13.20院で全国2位、同じく診療所数は83.73院で全国16位です。人口との対比で見ると、鹿児島県は突出した病院充足度を記録しています。
病院に必要な看護師の数は、診療所を圧倒的に上回ります。診療所の多くが無床診療所であることを踏まえれば当然でしょう。病院数が2位という事実は、鹿児島県における看護師需要が非常に高いことを示唆します。
鹿児島県は看護師の充足度も高くなっています。県内で働く看護師数は30,431名となっており、人口1,000人あたりの看護師数は18.24名。高知県に次いで全国第2位となっています。鹿児島は病院充足度、看護師充足度とも全国2位となっているわけですから、少なくともハードウェア面における医療事情はかなり優れていると言えそう。
ただ、鹿児島県は准看護師比率が非常に高くなっており、看護師全体の33.37%を占めています。看護師の総量が多い反面、高度化・専門化した医療に対応できる人材は少ないかもしれません。准看護師の比率が高いのは福岡県を除く九州全体に共通です。まとめると、九州地方は看護師数が充足している割に、正看護師比率が低い…と言えます。
正看護師の資格者であれば、急性期の病棟勤務、オペ室勤務などで高い需要があるはず。准看護師の比率を踏まえれば、正看護師の求人はまだまだたくさん見つけることができそうです。
病院数 | 223院 |
---|---|
診療所数 | 1,415院 |
看護師平均年収 | 405.7万円 |
看護師平均年齢 | 37.6歳 |
鹿児島県の看護師平均年収は405.7万円です。これは全国で3番目に低い数値に相当。ワースト3が熊本県、宮崎県、鹿児島県…となっていることから、九州地方は全体的に給与水準が低いと推察することができます。
ただ、この数字に絶望する必要はありません。九州は物価も安いので、全国平均と比べて給与水準が低いのは当然です。看護師の年収だけが低い…というわけではありません。また、准看護師の比率が高いことにも注目してください。正看護師なら、年収はもう少し高くなることが予想されます。
以上を踏まえると、これから転職を目指す正看護師であれば、それほど給与面で不利を受ける心配はないでしょう。九州の物価で水準以上の暮らしをすることは十分に可能です。
ただ、中には高い給与を手にしたい…というアグレッシブな動機で転職活動をはじめた方もいらっしゃるでしょう。上昇志向の看護師から見れば、“九州は物価が安いから…”などという言葉は何のなぐさめにもならないかもしれません。そこで、鹿児島県で全国水準の給与を得る方法についても考えてみたいと思います。
オススメなのは、国立病院に転職する方法です。国立病院のスタッフは、国家公務員と同程度の待遇になるため、地域の平均給与と関係なく国家公務員レベルの給与を得ることができます。鹿児島県内には国立病院機構鹿児島医療センター、国立病院機構指宿病院、国立病院機構南九州病院、鹿児島大学病院といった国立病院が存在していますから、国立病院への転職を目指すことも可能。
国立病院で働く看護師の平均年収は544万円ですから、東京都の看護師平均年収(523万円)さえ上回ります。上昇志向の看護師なら、ぜひ、国立病院に転職できないか…という視点で転職活動を勧めてみると良いでしょう。
日本で一番、離島の占める面積が多い都道府県はどこだと思いますか?実は、鹿児島県なのです。鹿児島県は離島が南北に離れて点在しているため、離島間の海を含めた県域は広大…。沖縄県のすぐ北に位置する与論島までが、鹿児島県の県域です。その上、人が住んでいる離島の数は28。これでは、医療へき地が存在するのは当然と言えます。
例えば、人口183名の黒島には、常勤の医師がいません。医師が往診に来ますが、月にわずか2日だけです。島の診療所に常勤している医療従事者は看護師1名のみ…。ふだん、黒島の人々の健康はほぼ1名の看護師によって守られていることになります。
離島では看護師が医療の中心にならざるを得ないことも多いため、鹿児島大学病院看護部では“地域看護コース”という研修を実施。離島の医療をなるべく地域で完結させるため、看護師主体で地域ケア体制を整えていく…。離島において、看護師に求められる役割は非常に大きいのです。
もちろん、看護師だけでは医療を完結できない状況…というのも想定しておくべきです。黒島の場合、緊急を要すると判断されれば、看護師が鹿児島赤十字病院の医師に状況報告を行います。その上で、報告を受けた医師が鹿児島県本土の医療機関にドクターヘリを要請。ドクターヘリで鹿児島赤十字病院などの救急医療機関に搬送を行います。
ドクターヘリは、ヘリ内に医師や看護師がいるため、搬送中から高度な医療行為が可能。単に運ぶだけでなく、すぐに処置を開始できるのがドクターヘリの強みです。
2012年にドクターヘリが運用されると、鹿児島県の離島医療は大きく変わりました。2012年だけで400回を超える出動要請を受けたドクターヘリは、多数、医療へき地の患者の命を救ったのです。離島の医療に貢献したいのであれば、ドクターヘリに添乗するフライトナースを目指す…というのも良いのではないでしょうか?空を飛んで、島々の患者を救う仕事には大きな責任が伴いますが、それ以上に多くの夢が詰まっています。
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