滋賀県の医療事情、看護師事情を考えるにあたり、まずは医療機関の総数をチェックしてみましょう。滋賀県内の医療機関は、病床数20床以上の病院が52院、病床数19床以下の診療所が1,017院です。全国47都道府県の順位に照らし合わせると、病院数は第44位、診療所数は同じく第30位という結果に…。病院数は最下位争いとしている状況ですし、診療所数も決して多いとは言えません。
とはいえ、重要なのは総数だけではありません。都道府県の人口に対して十分な医療機関があるかどうか…のほうが重要です。そこで、今度は人口10万人あたりの医療機関数を確認してみましょう。すると、病院数は3.68院で全国46位、診療所数は71.87院で全国33位となります。やはり、人口との対比で見た場合も、明らかに医療機関が不足しているようです。特に病棟看護師などの人材需要が見込める病院数が少ない…という事実は、決して歓迎できるものではありません。
次に滋賀県の看護師充足度を確認してみましょう。滋賀県内の看護師数は14,717名となっており、人口1,000名あたりの看護師数に換算すると10.39名です。これは全国47都道府県中38位に相当する数字。滋賀県は看護師の充足度が低い都道府県ということになります。
先ほど、滋賀県の病院数が少ないことを解説しました。しかし、看護師数も少ない…という事実を加味すれば、転職活動が不利になることはないでしょう。必要な看護師の総数がほかの地域より少ないとしても、現状の看護師数が足りなければ、人材需要はあるはずです。日本は全国的に看護師不足が慢性化していますから、基本的に、看護師の求人が見つからない…ということはありません。好待遇の求人を探せば、きっと納得のいく条件で募集している医療機関が見つかるでしょう。
病院数 | 52院 |
---|---|
診療所数 | 1,017院 |
看護師平均年収 | 510.1万円 |
看護師平均年齢 | 39.5歳 |
滋賀県の看護師平均年収は510.1万円となっています。全国47都道府県の中で、看護師の平均年収が500万円を超えているのは、8都道府県だけ。滋賀県は、看護師の年収が高い8都道府県の1つなのです。
当然、関東と並んで日本の2大都市圏となっている近畿地方は給与水準が高めですが、その中でも滋賀県は特に高給。京都府の525.9万円、和歌山県の519.7万円に次ぐ3番目の高水準となっています。
ただ、滋賀県は看護師平均年齢が39.5歳と高く、昇給を経た看護師の給与が平均値を引き上げている…という部分もあるでしょう。とはいえ、昇給幅は知れていますから、滋賀県の給与水準が高いという事実に関しては間違いないと思います。
日本の大都市制度は規模が大きい都市から順に政令指定都市、中核市、特例市となっています。滋賀県の中心都市は、中核市にも指定されている県庁所在地−大津市。当然、医療機関の集中度合いも高くなっています。
ただ、滋賀県は県中央に日本最大の湖−琵琶湖がある影響で、県域が分断されている…という特徴があります。実際、近畿側の大津市周辺と、長浜市や彦根市などがある湖東は行き来が大変で、商圏が異なっているのです。
看護師サイドから見ても、滋賀県の通勤事情はほかの都道府県と異なります。県西部から県東部への通勤…といった他県(無論、面積の狭い県に限られますが)なら普通に行われていることが事実上、不可能です。そのため、近畿側の県央部、北陸に近い湖北部、東海に近い湖東部…、お住まいの地域内で転職先を探す必要が出てきます。
多くの都道府県が抱えている問題ではありますが、滋賀県もまた、人材を含めた医療資源の偏在に悩んでいます。県庁所在地の大津市をはじめ、守山市、栗東市、草津市といった近畿側では医師数が足りている反面、それ以外の地域ではどんどん医師が減っているのです。
2003年から2010年までの医師数推移を確認してみると、近畿側に位置する大津保健医療圏、湖南保健医療圏では医師数が89名増加しています。しかし、東近江保健医療圏、湖東保健医療圏、湖西保健医療圏、湖北保健医療圏では医師数が71名減っているのです。都市部では医師が増えているが、郊外では減少していく…。全国的に問題化している医師偏在問題の典型です。
一般的に医師充足度と看護師充足度は比例するため、医師不足のエリアでは看護師も減少していきます。
ただ、現状を打破するのは簡単ではありません。若い世代の医師は、郊外の病院に勤務することを避けようとします。人間ですから、可能なら利便性の高い都市部に住みたい…と考えるのは当然でしょう。また、郊外が不人気になる原因は、生活における利便性だけではありません。郊外の病院は、すでに人材難に陥っています。そのため、人手が足りないことによる激務が常態化しており、労働環境自体に問題があるのです。若手医師が郊外を避けるのも無理はありません。
2010年代に入り、高度経済成長期(1970年代)に開院した診療の開業医が老年に差しかかっています。郊外のプライマリ・ケアを支えていた人材がいなくなることで、郊外の医師不足はさらに悪化していくでしょう。郊外の医療事情を改善するためには、まず人材確保の手段を考えなくてはなりません。
ただ、人材難に陥っているということは、好条件の急募が出る可能性が高い…ということでもあります。多少、忙しくても若いうちに稼ぎたいと考えているなら、あえて郊外に転職するのも1つの選択肢になるでしょう。
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